音楽番組収録の音声さん スタジオ収録Protools~前篇~

いろんな音のプロ

音にまつわる技術者は大きく3つに別れます。それは、

①パブリック・アドレス(通称PAさん、SRさん(sound reinfrcement)ということもある)

→イベント開場のミックスをするプロ。ミュージシャンのモニター(音の返し)を調整したりもする。今では大規模な開場だと、音がウワンウワンと反響して、音がわからないのでアーティストはイヤモニで音を聞きながら歌を歌う人がほとんどです。

その際は、イヤモニ専用のミキサーが上手袖(ステージ向かって右手)に用意されていることがしばしばです。上手である理由は直接誰かに聞いたことはありませんが、一般的にステージは左袖から登場することが一般的だからスペースを確保する必要があるからだと、私は推測します。

さて、そんなイヤモニミキサーは、音を返してあげるため、FB(feed back)さんと読んだりします。大小様々なスピーカーも用意し、開場が大規模だと、音のディレイ量・反響量を計測して、お客さんにできるだけ聞こえやすい環境を提供しています。

②レコーディング・エンジニア

→レコーディングスタジオでしっかり録音するプロです。ストイックなレコーディングを行い、最終的にCDのマスターテープを作り込む人たちです。アーティストと密接な連携も去ることながら、若手はひたすら言われた事をモクモクとProtoolsで対応することが多いそうで、所謂往年の天才エンジニアというのは、なかなかいきなり誕生しないものです。

ハチャメチャ(基礎力だけでは無く、トライアンドエラーが主流だった時代)が許された過渡期が一番おもしろいエンジニアが誕生するのだなぁと感じる本がこの一冊です。

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③収録さん

→前置きが長くなりましたが、収録さんすなわち【音楽番組】の音声さんです。

テレビの音声さんは常に狭間の存在で、本当に悩みっぱなしです。ドラマーにマイクが被っていたら、カメラマンから「どかせ」と言われ、ライブ開場でPAさんから音を分けてもらう時には「何しに来た?」と門前払いされた時代もあったそうです。

昔の技術屋さんはいろんな意味で【本気】だったんですねぇ。プロ根性とも言えます。

私が業務経験をした2010年〜2017年の間に、メディアは随分と細分化し、収録=テレビだけではなく、2次利用・3次利用(ネット生配信やWEB素材などなど..)が当たり前になってきました。一過性のライブだけでなく、収録される音をしっかり対応しなくてはならない傾向が強くなりました。その経過と共に、PAさんの対応は随分とマイルドになった印象があります。それでもしっかりした人は「電源はここから取って」「音はここから取って」と何からなにまで指定します(これはむしろ素晴らしいことです)。

さてさて、そんな収録さんの辛い辛い物語を、私の経験をもとに書き綴って行きましょう。

音楽番組の音声さん〜スタジオ編〜 前篇

ひとえに音楽番組と言っても、お客さんが入っているパターン、オシャレに撮影するパターン、野外ライブで大規模な撮影をするパターンなどがあります。まずは、スタンダードなスタジオ収録を紐解いてみましょう。

さらに【収録】と言っても、マイクを立てる人、2Mix(ツーミックス:ステレオの最終ミックス音源)を作る人、Protoolsで音を可能な限りバラバラで録音しておく人、などと多岐にわたります。今回は録音をするProtools界隈のお話からしてみましょう。

音の編集をする上で、テレビ局に限らず、もはや私を含め一般人でも使うことが当たり前になっているのがProtoolsです。

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Protoolsは音をデータで録音し、編集できる機能を持っていますが、細かい設定をして、映像と同期して収録する機能を使っている人はあまり居ないことでしょう。

テレビ収録に於いて一番重要なのは”同期”です。特に、デジタル信号を扱う際は同期にミスがあると収録事故をおこします。これらはWORDという同期信号をメインとなる映像収録機から分配し、各収録機と共有させます。これで初めてデジタル信号(音では主にAES信号)にノイズが乗ることなく、安全に収録することが可能となります。同期ができていないと、プツプツとノイズが乗ってしまうのです(同期エラーによるデジタルノイズ)。

私がお世話になっていた現場では、タイムコードを司るVEさんから信号をもらい、ついでに映像ももらっていました。これらの信号をAvid Mojo SDIに入れて、Protoolsに映像とタイムコードを入れていたのです。

Avid MOJO

audio fanzineより

映像はアナログ信号に変換され画質は落ちますが、後の音の編集においてとても役に立ちます。残念ながら製造終了となっており、以後はSSDに移行していくことと思われますが、それはそれで映像がフルデータになり重くなるので、どう転送するかが課題となりそうです。昨年のInterBEEでも、そこが課題であるとAvidブースの方も言っていたのが印象的でした。

Nitris XD

AVID Japan Video BlogよりNitrix XD

今後は60fps動画や4Kに対応したものがどんどん増えて行くでしょう。しかしながら、日本の放送局がまだそれに追いついていないという妙な現象が起きている印象です。4Kで収録することができても、完璧な4Kで放送するのはシステム的に”別の問題”があるのです。昨年のInterBEEではスカパーが4K生中継の試験放送を行いましたが、まだそんなレベルなのです。(隣ではNHKが8Kのデモをしていましたが…)

さて、また話が脱線してしまいました。しかもまだ音について何も触れていません!

これらの作業を行った上で、ようやくパソコンの電源を入れ、Protoolsの設定をポチポチと入力していきますが、今日はこのへんで!

 

続く

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