よりみち散歩 #30 幻の豆 吉祥寺珈琲

吉祥寺珈琲とは

看板

お店は吉祥寺通りに面している

外観

近所の配達もしているらしい

吉祥寺珈琲は吉祥寺駅から若干離れた場所に位置しており、どちらかというと地元民に愛されているお店である。しかし、ここの豆の虜になったお客さんも多いようで、遠方からわざわざ訪れる人もいる。

ヨリミチ団がこのお店を知ったきっかけは、我が看板犬のぷーちゃん(サモエド)による犬コミュニティによるものだった。実は吉祥寺には秘密のサモエドコミュニティがある(現在3匹)。そのイヌ端トークでこのお店の情報を知ることになったのである。

ぷー

でかしたぞ!!

とても個性的なお店であるため、まずは吉祥寺珈琲の基礎知識を身につける必要がある。

なぜ幻なのか

タイトルに「幻」と付けたが、一体何が幻なのだ?と思うだろう。その理由を書かせていただきたい。

営業日が月に1日だけ

つまり、年に12日しか営業していないのである。これだけでもはや幻と認定して良いだろう。吉祥寺で言えば、肉専門店の「肉山」に予約をとれる確率と同じくらいなのではないだろうか?

0営業日

カレンダーが店舗内に貼ってあり、見ての通り、営業日のは一日しかない。公式サイトがあるので、営業日を必ず確認して訪れる必要がある。電話番号が03-3594-4151「Oh!さんみこくよしよいコーヒー」とお茶目である。

昼前に注文が止まることも

電話でも予約や問い合わせができるようだが、メールでも予約を受けているようなので、何が何でも購入したい人はそちらからアポイントメントをとっておいたほうが良いだろう。私が訪れた時は電話が鳴り止まない程の人気ぶりで、午前11時頃には注文を一旦停止してしまう程であった。煎りの進捗状況で、注文量を調整しすることがあるようだ。

営業時間は午前7時から19時までで、店内でも珈琲をいただくこともできる。6席のスペースはかなり狭く、テーブルの上は作業台にもなっている為、実際は2,3人程度しか座ることができない。

作業

空付きの生豆を装置を使って振り分けている

メニューはあるが、その日にある豆しかない

豆の種類はその日あるものしか注文することができない。

メニュー

メニューはあるが、実際は2種類の豆しかなかった。とはいえ渾身の2種類というのは、まずハズれることはない。これらの豆は10g単位で購入することができ、在庫があれば「欠け豆」という、粒が揃っていない豆を半額以下の値段で購入することができる。「ドライチェリー」とは、我々が普段飲んでいる珈琲豆を覆っている果実・皮の部分である。珈琲豆も木に実っているときはサクランボと同じ「チェリー」と呼ばれる。それをお茶として飲むことができる。残念ながら、この日は何れも品切れで購入することができなかった。

ちなみにもう1種類メニューがある。

メニュー2

細かいディテール

購入した豆の袋に豆の情報が書かれているが、極めて細かく記されている。この日購入することができたのは以下の2つである。

・インド ニルギリ バルマアディ農園のコピ・ルアク

10g 118円(2番目に高い豆) 400g:4720円

豆1

・エル・ピンタード農園のグァテマラ アンティグア 

10g 54円 400g:2160円

豆2

店主に煎り具合のお勧めを確認した所、どんな煎り具合でもおいしくいただけるとのことだったので、ミディアムにした。次回はシティ(深めの煎り具合)に挑戦してみようと思う。それぞれ400g購入し、価格は6880円(税510円)となった。

珈琲の現場へも赴く

facebookのページを確認すれば、その情熱が伝わってくる。

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右手が店主

あまり知られていない国産の珈琲にも精通している。こちらは母島にある珈琲農園である。

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吉祥寺珈琲 facebookページより 母島珈琲 竹原邦博農園

珈琲はとにもかくにも奥が深いのである。

家族経営

このお店は2013年3月2日(土)にオープンした。珈琲好きの店長が副業的にお店を開いたという話である。その為月に一日しか営業していないのだ。ただ、この豆のクオリティは副業レベルを遥かに超えている。

訪れた時には、レジを奥様が、豆の振り分けは息子さんが担当していた。そして旦那様(店長)が豆を煎ったり、珈琲を淹れたりと大忙しなのである。

 店内の様子

狭い店舗の中は職人のアトリエである。珈琲好きであればわくわくしない人はいない。扉をあけるといきなり皮付きの珈琲を仕分けているのだ。

殻

上が分別された皮で、下が生豆(きまめ:煎る前の珈琲豆)と皮の混在したものである。

殻付き豆

分別前の豆

ふるい2

全て手作業だ

これを専用の振り分け器に入れた後、ふるいにかけてさらに”欠け豆”と”粒揃い豆”に手で仕分ける。

ふるい

未熟な豆もこの段階で手で取り除かれる。見ているだけで飽きない1人珈琲市場である。

この隙に接客と、珈琲の焙煎を進めて行く。焙煎は外からも見ることができ、香ばしい香りは外に抜けて行く。焙煎

するとリンの香りがしたので目をやると、点火にはマッチを利用しているようだった。

マッチで

バーでシガーを注文する時、マッチで何度も炙って出してくる方が気持ちが良い。時間と手間をかけることは一流の証拠である。およそ15分程で焙煎された豆が取り出される。

煎り立て

おなじみの容姿に変化を遂げた焼きたてほやほやの豆は、レジの横に並べられる。

アトリエ

さほどストックは無く、売り切れれば終了であろう。

ちなみに、生豆で購入すれば、自分の家のフライパンで煎ることもできる。私も昔挑戦したことがあるが、少し難しかった。フライパン以外でも、ステンレス製の炒り網や、茶器も比較的安価で販売されている。

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 茶器はお茶っ葉の焙煎にも使えるが、珈琲豆でもよく利用されている。さらに本格的にやってみたい人は、小型のロースターも流通している。

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喫茶スペース

ここで珈琲を飲むこともできる。注文した豆の焙煎中に一杯いただく余裕があればベストだろう。席は6人までしか座れないが、冒頭でも言ったとおり、作業台も乗っているので実質は2,3人が限度だろう。天気が良ければ、外で頂くという選択肢はあるかもしれない。

テイクアウト有

コーヒー¥50円〜

値段などどうでもいい!!とにかくおいしい珈琲を知ってもらいたい!!そんな気持ちが見える価格である。超本格珈琲とはこういうことを言うのかもしれない。豆の種類によって価格は変動するが、メニューの10gの価格と照らし合わせれば良い。

珈琲を注文すると、まずはマスに一杯分の豆を用意してくれる。コーヒーカップ1杯分の珈琲豆は一般的に”およそ10g”と言われている。豆は10粒でおよそ1gなので、1杯には約100粒もの豆が消費される。

マス

マスにも吉祥寺珈琲のロゴが刻印されている

冬場だった為か、お湯は熱すぎない温度をヒーターの上で雪国の如くキープされていた。珈琲カップにお湯を入れて暖めている間に豆を挽くのだが、これがダイナミックなのである。乳鉢に豆を入れてから、木の乳棒(?)で豆をダイレクトにすりつぶすのだ。

すり鉢2

カリカリと乾いた良い音が響く

およそ45秒豆を擦ると、いい具合の粗挽きが完成する。

豆つぶし

お見事である。

豆粗挽き

機械よりもすり鉢でつぶすことで、繊維が機械的に分断されず、味が良くなるとのことだ。エグ味も抑えられ、スッキリした味わいに仕上がる。ここで暖まった珈琲カップに入れられたお湯を捨て、珈琲を淹れる準備に取りかかってくれる。

淹れたて

やはり珈琲専門店はペーパーでは無く、布でドリップしてくれるからありがたい。ペーパーは厳密には紙の匂いがあり、布より目が細かく、布フィルターより旨味を出し切れない。布のフィルターは”ネルフィルター“と呼ばれる。淹れた後は、煮沸処理・乾燥などの手入れをしっかりしなくてはならないので、私はペーパーに落ち着いてしまった。

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気がつけばコーヒーが出来上がっていた。お湯は想像以上にサラサラと浸透して行き、ドリップの時間は1分程で終わる。

淹れるドリップ

香り高く、スッキリした味は嗜好品の極みである。この味を覚えてしまったらちょっと危険だ。

余談だが、乳鉢 珈琲と検索すると、意外にもこういうジャンルが確立されているようだった。

特に中東では、スパイスを擦る文化があり、珈琲も同様に淹れる文化は自然発生的だったのかもしれない。

コーヒーの発見は西暦900年頃にアラビアの医師”ラーゼス”という人の記述が有力視されている。その後、嗜好品としてのコーヒーは1258年頃に同アラビアのモカ地方(現イエメン)にて、イスラム教徒”シーク・オマール”がたまたまコーヒーの実を摘んでスープにしたことが始まりだそうだ。

年代不詳だが、エチオピアでもアラビア人ヤギ飼いによってコーヒーが発見された。このヤギ飼いの名前はカルディだった。名前には色々と由来があるものである。もっと興味のある人はコーヒーの歴史 | コーヒー百科 | 知る・楽しむ | コーヒーはUCC上島珈琲を訪れると世界と日本の年代を照らし合わせながら学ぶことができる。

豆を購入

豆を購入すると、紙袋に入れてくれる。お店にはヤモリ風のロゴがある。

紙袋

この中に800g分の豆をぎっしりと詰め込んでくれた。

ジップロック

200gずつ密閉された色付紙パックに入れてくれて、さらにジップロックで密閉してくれている。この感じもまたたまらない。

豆袋

豆が呼吸できる様にしているのか、紙で出来た袋もさわり心地が良く、よくみるとこれにも金色のヤモリのマークがある。お店の名刺も非常に個性的で、吉祥寺的である。

名刺

和紙で出来ているのだろうか、不揃いの大きさで、ロゴがくっきりと印刷されている。

家で淹れてみる

喜び勇んでさっそく家で淹れて家族に振る舞ってみると、大ウケであった。香りが極めて高く、野性的な力強い味はこの豆一粒一粒の一生を考えさせる。私はウィスキーが好きで、それと似たような、味を”考える”楽しみがある。

淹れるコツ

店内で淹れてもらったときもそうであったが、ここの豆は他で流通している豆より淀みが少なく、さらさらとお湯が抜ける印象がある。お湯は少しづつ丁寧に注ぎ、初めて淹れる時は、ある程度抽出した所で味見をしてみることをオススメする。場合によっては濃く感じることもあるが、その際は好みに別れるが、ミルクを足して芳醇な香りを残した方が良いかもしれない。

特筆すべきところは、多少濃く淹れてしまっても、味はサラっとすっきりしており、香りの余韻が長く続く所である。

賞味期限

賞味期限

豆袋の裏に記載されている

賞味期限は早く、購入後7日間までとなっている。できるだけ購入してすぐに飲んでしまうのが一番おいしく飲むポイントになりそうだ。

前回少しだけ紹介したが、私は現在神戸珈琲の通販で豆を購入している。ここでは豆を真空パックで注文することができる。

神戸珈琲物語

私は買い貯めしておき、このまま冷凍庫に入れて保存している。経験上1ヶ月程保存したことがあるが、劣化は少ない。水分や、空気と触れることが劣化の原因となり、豆が到着したらすぐに冷凍させることで、劣化を最小限に食い止めることができる。時折豆からガス(自然発生で無害)が発生し、袋が膨らむことがあるが、品質上問題は無い。また、一度豆が空気に触れると酸化して行くので早く消費した方が良いのは吉祥寺珈琲と同じである。

以下のサイトで詳しい保存方法が確認できるので、各々の環境に合わせた保存方法を模索すると良いだろう。

豆の保存

THE COFFEESHOP公式サイトより クリックでサイトへ移動

脳と香りの関係

音楽は右脳で聞いていると言われていることはどこかで聞いたことがあるのではないだろうか?好きな音楽を聞くと(クラシックなどの器楽音楽の方が好ましいかもしれない)リラックス効果がα波で検出される。

では香りいついてはどうだろう?

通常は左右の体の情報は交差され、逆側の脳に情報が伝達される。例えば、左半身は右脳が支配していたり、右目は左脳の視覚野に情報が送られている。

香りとはお面白いもので、左の鼻の穴は左脳へ、右の鼻の穴は右脳へ送られているらしいのである。

珈琲でよりリラックス・クリエイティブに時間を楽しみたい場合は是非、クラシックを聞きながら、右鼻を意識して飲んで見ると、更に一歩進んだ楽しみ方ができそうだ。

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