DAY6・7 ついに熱が下る

DAY6 一時は平熱に

8時間の間隔で点滴を打たれている。昨夜の10時の次は午前6時の計算だ。カーテンのレースのシャーッという音で目が覚める。

もはや点滴に関しては何も感じなくなった。毎朝点滴を打った後は、体温と血圧を計ることが日課となっている。この朝の体温は36.6℃で、入院後初めて平熱となる。だが、時々ふとした時に顔が熱くなり熱を感じることがある。食後もどうも汗ばみ、体温が上がる。

夕方には37.4℃に上がってしまったが、入院してからの体温の推移は全体的に下降している。

シャワー室でお腹を見る

20:20

昨日は洗髪までにとどまったが、傷の様子を見た医者は今日からシャワーを浴びて良いと言った。午前中はシャワー室、洗髪室ともに予約枠があるらしく、体が不自由な人の為に空けられていた。今回も午後の空いている時に、勝手に利用することになる。

まだ点滴を受けている自分の右腕にはビニールが被せられ、上下を医療用のテープで入水を防ぐ。

シャワー室に入り、この時初めて自分のお腹全体を目の当たりにする。力が入らず、傷がある下腹は少しぽっこりしている。治療は腹腔鏡下手術で行われ、3つの穴があった。2つは手の役割をする器具を入れ、1つは医療用の小型カメラを入れる。2つの穴には絆創膏のようなものが貼られているが、もう1つの穴はヘソの穴であった。ここには絆創膏もはられておらず、ヨードのような黄色い薬の痕がまだ残っていた。

体を洗うのは帰宅してから、万全の態勢で臨もうと決心し今回は見送ることにした。軽くボディーソープでお股など気になる所を中心にサッと洗い流す。昔と違い、ウォシュレットもあるので肛門周辺にはさほど不安は無かったが、前の方は丁寧に扱った。

あまり長居はしたくなかったので、すぐにシャンプーに移る。頭を洗うと髪がギシギシして気がついた。使い捨ての洗剤は両方ともボディーソープだったのだ。

ますます早く上がりたくなった。さっさと頭を洗い流し、体を拭いた。少し冷える季節だが、手早く替えのパンツを履く。服は昨日のパジャマのままだ。それでも生まれ変わった気分になれた。

3食完食

この日の食事は全て完食することができた。

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朝食

5-2

昼食

5-3

夕食

面白いくらいおかずのグレードがアップしていく。もはやゲーム感覚にちかいレベルの上がり方だが、無事完食することができたのは自信にも繋がった。この夜、明日のお昼からお粥を白米にすると言い渡される。望むところだ。

夜の病棟

夜の病棟には怪奇現象も無ければ、いびき以外の物音はほとんどなかった。基本的には規則正しい生活を送っている人が多いのだ。

昨日くらいから知ったのだが、私が宿泊している病室はどうやら子供病棟の一部らしい。通りで昼間は子供の元気な叫び声が鳴り響いていたわけである。何の病気かはわからないが、病院でたくましく過ごしている姿は悪い気はしない。

今夜平穏だった夜に悲鳴が鳴り響く。3歳くらいの子供が一晩中泣き続けた。いや、正確には前の昼から聞こえてはいたが、気になっていなかっただけだった。何度も「あと30分したら泣き疲れて寝るだろう」と考えたが、鳴き声は午前5時ころまで断続的に続いた。廊下を見ると母親が抱いて看病していた。部屋の住人にも気を使っているのだろう。子供もかわいそうだが、母親が子供と患者に挟まれ一番つらそうだ。病院だから、なんとか出来ないのかとも思ったがきっと色々と事情もあるのだろう。

子供も、こんなに全力で泣き続けられるのは才能だと思う。

DAY7 寝不足の朝

予定どおり朝6時に点滴を投与される。今回はカーテンの音に気が付くことはなかった。束の間の眠りについていたようだ。

点滴中も、点滴後も爆睡した。

朝食にはパンが出た。

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お粥は終了したが、もはや通常の食事と言ってもよいだろう。久々のパンも嬉しかった。

この日からトレーを自分で片付けるようにした。看護婦に完食できたことを伝えると、向こうから昨日は眠れましたか?と話が振られた。どうやら患者から苦情が相次いだようだ。例の親子の部屋は移されたらしい。かわいそうではあるが、助かった。

6日ぶりの米

予告通り昼食には米が出た。やはり感動する。6-2

喜んでだべるが、米となると少し重たく感じる。不覚にも米を食べきる事はまだできなかった。6-3

夜にも米が出たが、おかずにチキン南蛮が出たことには驚いた。油ものの食事も入院食では初めてだった。ややヘビーなおかずでも、今度は米も全て食べることができた。

この日の体温は36℃台をキープすることができた。医師から順調に行けば、明日退院できるかもしれないと言われた。入院した時も突然だが、退院のときも突然やってくるのだ。私はそれを鵜呑みにし、部屋を片付け始めた。この日のシャワーは見送り、家でゆっくり浴びてやろうと心に決める。何より、寝不足だから早く寝ることにした。

思わぬ刺客

今度は隣りの部屋で男の悲鳴が鳴り響く。これがまた野太い。

「ゔぉ〜!!  痛ってー!!   はやくー!」

時折吐いたような「ゔぉえ」という音もしたが、すぐにまたうめき始めた所を聞くと、多分空吐きだったのだろう。生理的な反応なのか、体の痛みから生じる吐き気は私もついこの間経験したばかりだ。

今夜もなかなか寝付けず、ついにはナースコールで、隣の患者の様子が心配ですと通報してしまった。その時刻は午前3時頃だった。

自分もそうだったが、病状は夜に悪化する傾向があるような気がする。生物的・医学的根拠があるのか、心がそうさせるのか。

また寝不足気味で翌朝を迎える。

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