DAY3 手術を終えてから

目覚めはベッドの上

麻酔がまだ効いていたせいか、術後はベッドの上でずっと寝ていた。しかし午前2時頃にお腹の痛みで目が覚める。予想よりも虫垂の腫れが酷く、虫垂と盲腸の一部(大腸の下一部)を切ることになったそうだ。切った部分は医療用のホチキスでくっつけたそうだが、原理は分からない。

とにかく汗だくになり、4時にナースコールを呼び暖房を切ってほしいと頼む。しかし、暖房はついていなかったのだ。体温は38,39度をずっとうろうろしていた。ナースは痛み止めを点滴から流してくれた。これが良く効き、再び眠る。

翌朝

9:30

主治医が様子を見に来た。この時はまだ顔がこわばっており、懸念事項を私に説明する。予想より大きく切除することになった腸の感染症、および縫合の漏れが心配のようだ。

その後、気がつかなかったがお腹に貼られていた大きな透明の医療用テープが剥がされた。二人の医師が傷口を見て、外科的な問題は今のところ無いと言われた。この後レントゲンを速やかに撮ることになる。

レントゲン撮影

10:15

レントゲン撮影に行くため、車いすにのるがお腹が痛すぎて動けない。腹が切れていると腰が上がらない、腹筋も入らない。脂汗が一気に吹き出した。おまけに吐き気もする。そしてこの時に気がついたのが、導尿カテーテルもしっかり装着されていたのである。動くと陰部にも響くし、移動となればカテーテルを通る尿を貯める器も車いすに乗せなくてはならない。ちょっとしたセッティングチェンジが必要であった。

なんとか移動するが、本当に気持ちが悪い。吐き気が増し、嘔吐袋を持ってきてくれと頼む。がんばったが今のままでは無理と言い、痛み止めを打ってもらう。15分程で油汗も落ち着き、今なら行けるとナースに申告すると速やかにレントゲン室に移動した。しかし、そこには一般の患者が大勢待っていた。手術も済んだ私は特別扱いされず、30分ほど廊下で並ぶことになる。薬はどんどん効いてくる。

先ほどまでは立つだけで吐き気がしたのに、傷に痛みはあるものの、立つことが出来た。3パターンのレントゲンを撮影する。最初の2枚は立って手を前に伸ばす、よくあるパターンものだ。最後のレントゲンはベッドに寝て撮影するものだったが、自力で腰を移し寝て、また車いすに戻ることができた。薬の効果に改めて驚く。

病室の移動

11:00

レントゲンを撮り終え、病室に戻る。入院が決まった時に空いていた部屋だったので仕方が無かったが、1日の使用料金は1万円であった。その際、安い部屋が空いたら移動したい旨を伝えておいていた。

病室を管理している女性がおり、ヨリミチおじさん様、お隣の2人部屋が空きましたので移動なさいますか?と聞かれる。料金は4000円まで下がるのですぐに同意した。荷物をまとめ、隣の部屋に移動するのだが、その前に服を着替えることになった。まだ手術を受けたままの服、あるいはその後知らぬ間に着替えさせられた服だったのだ。

導尿カテーテルを外し着替える

11:15

まず最初にカテーテルを外す。動くと痛いし、管の先は尿を貯める器になっており、ベッドの横にぶら下げられている。この管はもちろん、尿道に直接差し込まれている。これを外す際もナースが手伝ってくれるのだが、まず暖かいおしぼりを当てられる。そして「息を吸ってー 吐いてー」と息を吐いたタイミングで、プクっと少し空気を入れられ、絡まない様にうまく反動を利用して抜き出される。この管が想像よりも長く、多少の痛みを伴う。こんなものが入っていたのかと震え上がる。入れられたタイミングは当然、全身麻酔の後だ。

病院には有料でタオルを支給してくれたり、定期的にパジャマを交換してくれるコースがいくつか用意されている。1日500円程度でタオル使い放題プランを注文したので、パジャマに着替えるが、パンツが無い。仕方なく、使い捨ておむつを履くことにした。これもまた大人になって初めてのおむつ体験になる。自分ルールではあるが、お漏らしは厳禁だ。この経験は老後に取っておこう。

栄養は点滴から

まだ食事はとれないが、午後から水を飲んでも良いと許可がでた。そして出来るだけ動いて、体とお腹を慣らして欲しいとも言われる。1日半ぶりに水を口にするが、怖くて少ししか飲まなかった。スッと胃まで落ちて行く感覚がわかる。その後すぐに腸が反応した気がしたが、これは気のせいかもしれない。

点滴は常に滴り落ちていた。その上、水を少しずつだが飲む様になると、トイレの回数が増える。いよいよか、と思い術後初めてトイレに移動する。トイレに行く際は、計量カップで尿の量を計るように言われた。カップを使っている人は、トイレに各患者のカップ置き場があり、そこから自分のものを手に取る。

いざ便座に座ると及び腰になる。想像以上に踏ん張らないとなかなか出てこない。やっと出てきたかと思うと、陰茎に痛みが走る。確実にカテーテルのせいだ。どうしようもないから後は勢いにまかせ、ゆっくりと出す。数分かけて出た量は600mlにも達した。カップのメモリは500mlまでしかないので一度流して、再計測した。点滴が24時間体に水分を供給している結果だろう。後に記すが、点滴をやめてからはだいたい250ml周辺の値であった。

初めてのトイレで驚いたのは、用を足した後に陰茎から空気がぷすぷすと出て音を立てたことだ。きっとカテーテルを抜いた際に、空気を少し入れた時、その空気が残っていたものだと思われる。だがかなりの衝撃を受けた。さらに驚いたことに、力みすぎたのか、点滴の勢いが弱かったのか、点滴の管に血が逆流していた。これを見た看護婦は慌てて点滴のスピードを上げ、血液はすぐに体内に還元された。

ちなみに、特に説明は無かったが、カップは手洗い場ではなく、それらしき医療用のスチールに覆われた場所があり、そこでじゃばじゃば洗い流して、棚に戻した。なんとも不思議なセルフサービスである。

その後、トイレには3回行くが、痛みがとれ始めたのは4回目以降からであった。そして毎度500mlオーバーの計測に驚いていた。そしてこのトイレの回数と量を紙に書いて、翌朝医師に見てもらうという流れを繰り返すことになる。

その夜、翌日のお昼からは流動食を始めると言い渡された。まだ体には37.8℃周辺の熱がある。水分が多いのか、体調が悪いのか、寝るたびにひどい寝汗をかく。食事代わりの通常の点滴に加え、1日に3回、8時間おきに抗生物質も投与された。テレビの配置が悪く、寝転がって横を向かなくては見えない。お腹が痛いので当分見れそうにない。さらに、2人部屋になってからはイヤホンでないと音が聞こえないシステムになっていた。配慮あるシステムは当然と言えば当然だが、余計見る気が失せてしまった。寝るかトイレに行くか、ちょっと携帯をいじる。だがこの日はほとんど寝ていたと思う。

この夜、おならが出た。

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