よりみち散歩 #15 虹の足を追い求めて

虹の足を追い求めて

中央線に揺られ、新宿方面から吉祥寺に近づくとアナウンスが流れる。

「次は吉祥寺 吉祥寺です」

その際、進行方向に向かって左側に目をやると、誰もが一度は気になったであろう看板がある。

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無垢な少年は母に尋ねる

「そーぷらんどって何?」

看板の主とは

ここの看板の主は「角海老グループ」である。創業者は鈴木正雄氏で、旧制開成中学校(今の開成高校)出身。戦後の極貧生活から角海老グループを立ち上げた実業家で逮捕歴10回、政界(田中角栄など)とのパイプもある。また、1977年には公務員お初任給がおよそ9万円だった時代に1億5千万円近くの所得があったという。あらゆる面で折り紙付きの人物だ。別名ソープの帝王。

吉祥寺にオープンしたのは、私が調べた限り2004年1月24日のようだ。

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あまり情報がなく、調査に行き詰まっていたが、この情報が思わぬ突破口となった。書き込んだ人もまさかこれが重要な資料になるとは思ってもいなかっただろう。ちなみに5スレで終わっている。

他にも渋く古風な体験談ブログがいくつかヒットしたが、どれも文才に溢れていてなんとも読み応えがある内容だった。しかし、よりみち散歩の趣旨とズレてしまうので今回は触れないでおこう。興味のある人は【吉祥寺 角海老】で検索すれば出てくるので自分で足を運んでいただきたい。

この「ソープランド」の看板はかつて「トルコ風呂」という看板だったそうだ。しかしこの「トルコ風呂」の意味はお風呂ではなく、やはりソープのそれと同じ意味であった。詳しくはWikipediaでことの経緯を確認できる。簡単にまとめると;留学中のトルコ人に怒られたため、今の「ソープランド」に改名したそうだ。

この名称問題の相談を受けたのは現東京都知事の小池百合子だったことはあまり知られていないのではないだろうか。当時の詳細は 小池百合子の伝記「挑戦 小池百合子伝」の110頁あたりにも記載されているので興味があれば手にとって見ると良いかもしれない。険しい道を自ら進み、とにかく何かをやってみるという小池さんの素性が良く分かり、読んでいても面白い本となっている。

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さて、何度も出て来る「ソープランド」には読者もいささか食傷気味だろう。ここからは気持ちを切り替えて「虹」と呼ばせていただくことにする。

虹の足元を尋ねる

私が中学生か高校生の頃から確認していたこの看板だが、アラサーになった今でもまともに間近で見ることはなかった。

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中央線の高架線下にて

駅から新宿方面に線路に沿って歩いていくと2つの看板が確認できる。

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「虹」の足元 角海老グループはボクシングジムも経営している

「虹」の足元はこのようになっている。少し年季が入った外見だが、年中休まず営業しているそうだ。

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看板はどちらも中央線側に向いており、立地的にも井の頭線からは確認することが難しい。交錯する電線も印象的である。

周辺にはお店が多い

線路から見て南側のこの通りだが、驚いたことにお店は豊富だ。代表的なお店はこちらの ハンモックカフェ マヒカマノ だ。

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ほぼ斜向いにあの「虹」はある。

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それにもかかわらずお店は大盛況だ。女性客も多く、治安は守られているのでご安心頂きたい。また「虹」の横にはつけ麺の大勝軒もある。

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この大勝軒は2002年12月17日に開店している。開店当初中学生だった私は並んで食べた記憶がある。その頃にはまだ「虹」の看板は無かったことになる。

ほかにもアンティークのお店 Ken’s shop

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Ken’s shop

釣具屋 トラウトの吉や などもある。

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トラウトの吉や

不思議なくらい「虹」と他のお店は馴染んでいる。歩いていても全く違和感は無い。これぞ吉祥寺のなせる技なのかもしれない。

旧近鉄裏・現ヨドバシ裏の風紀

アンバランスなようで、絶妙なバランスを保っているこの地域。だが飲み屋やキャッチも多く、治安の不安は拭えないだろう。ラブホテルも堂々と建っている。

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ホテル アランド すぐ側に図書館とマンションがある

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ホテル ニューヨーク かつては頂上に自由の女神があった 側には吉祥寺シアターがある

La Festaというホテルもできたが、今回は割愛する。昔はもっと多くの関連施設があったそうだが、国の浄化作戦によりかなり清掃されたそうだ。その運動の一環として、図書館をあえて風俗街の中心に建てた。

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武蔵野市立吉祥寺図書館

斬新な手段である。この経緯はWikipediaの「設立の経緯」の欄に詳しく記述されている。他にも国土交通省も吉祥寺活性化するよう努力をしている。これらの尽力があり、今の吉祥寺は成り立っていると言えるだろう。

「虹」はこの街に不思議な架け橋を架けた。高架線から何気なく見える風景には沢山の歴史がまだまだ沢山ありそうだ。

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